ろう者宅に回覧板は回さない?

『ろう者のトリセツ 聴者のトリセツ』を編集執筆された関西手話カレッジで、昨夜「カレッジ寺子屋」がありました。
カレッジ寺子屋とは、ろう者と聴者の言葉のズレを、皆で一緒にワイワイがやがや言いあって、ズレの存在を確認しあうという面白い勉強会です。
その集大成が実は『ろう者のトリセツ 聴者のトリセツ』なのです。
『ろう者のトリセツ 聴者のトリセツ』出版後も、2ヶ月に一度カレッジ寺子屋は開催され続けていて、新たな言葉のズレが次々と見つかっています。
いよいよ『ろう者のトリセツ 聴者のトリセツ』PART2の制作が開始されるのではないかと、期待しています。

昨日の言葉のズレの中から面白かった例をいくつか挙げますと、

●「身内に不幸があったので欠席します」の「不幸」は?
聴者にとっては「死亡」を意味しますが、ろう者にとって「不幸」とは「幸せでないこと」を意味しますので、例えば「身内に宝くじハズレがあったので欠席します」なんて、不可思議な欠席理由が頭の中に浮かんでしまうのです。
→また、文字だけでなく、手話でも手話通訳士が「不幸」なんて初歩的な間違いを表現すると同様の混乱が生じるでしょう。

●「料理のお皿を回してください」の「回してください」とは?
これはもう、ズレが想像できますね! ろう者はこの表現を見ると「本当に皿をくるくる回していいの? なぜそんなことするの?」となってしまいます。
中華料理の円テーブルのイメージから、団体で料理している時に欲しい料理がのっているお皿を取って欲しい時に、つい「こっちに回して」と言ってしまいますね。
でも、考えてみたらこのような時に中華料理(の円テーブル)がなかった時代は、「渡して」とか「こちらに下さい」とか言ってたのではないでしょうか?
この「回して」は、昨日のカレッジ寺子屋でもっとも物議を醸しました。
では、
「回覧を回してください」
「玄関に車を回してください」
は、回覧板や車をくるくる回すのか?
「引っ張り回す」
「引きずり回す」
「手を回す」
などの「回す」は?
と言う具合です。

その中で、悲しい報告がありました。
「回覧を回す」で、「回覧板」を見たことのないろう者が何人もいたことです。
原因は、自治会(隣人)がろう者のいる家には回覧板をわざと回さないからです。
でも、皆さん! ろうの人たちは明るい性格の人たちばかりですよ!
回覧板が回らないということを聞いた聴者が「えっ、回覧板を飛ばされるの?!」と言うと、すかさず「飛ばす」ってどのような方法で?と「飛ばす」の言葉のズレに、すかさず話題を変換させていました。
この頭の回転の速いこと! 恐れ入ります。

ろう者は本当に話し好きで、楽しい人たちばかりです。
とても充実した1時間30分のカレッジ寺子屋でした。
次の開催は、8月の第一土曜日(偶数月の第一土曜日)夕方だそうです。
興味のある方は、ぜひご参加下さい。
http://ameblo.jp/kscnews/


ろう者のトリセツ聴者のトリセツ―ろう者と聴者の言葉のズレ
星湖舎
関西手話カレッジ

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