「いくたまさん」と「くいだおれ」

大阪人にとって2008年の7月8日を語るに、大阪みなみの名物食堂「くいだおれ」の閉店を、避けて通ることはできないであろう。

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大阪人が食い物屋(くいもんや=広く飲食店のことを意味する)を選ぶ基準は、「安くて美味いか?」「食べるに値打ちがあるか?」が、すべての基準である。
「おしゃれ!」とか「芸能人がやっている!」とかで、一時マスコミに紹介されても、正直な(=辛辣な)大阪人は素直に他人に「あの店は食べるに価しない店だ!」と告げ回ってしまうのである。その店の存在をほっとかないのである(=黙って見過ごさないのである)。
大阪には星の数ほど食い物屋はあるが、大阪で食い物屋を営むのはそれほど難しいのである。
また、それが大阪人の食い物屋に対する礼儀であり、その店に自己研鑽や意識改革を願う大阪人の暖かい思いやりでもある。
では、「くいだおれ」はどうであったのだろうか?
正直、閉店を宣言する今年の4月までは赤字経営であったのだそうだ。つまり、大阪人に食べるに価しない店と判断された店であった。
それが閉店の宣言以降は、人気はひとえに「くいだおれ人形(=くいだおれ太郎)」にあり、その存続を惜しむ人情にあやかった大盛況であった。
味が決して良くなったわけではない。
さらに追い打ちを重ねるように、船場吉兆の女将の悪口を、平気でマスコミの前で公言するくいだおれの女将の人間性が疑われ始めた。

心斎橋筋の「戎橋」(=ひっかけ橋・ナンパ橋とも呼ばれる)にさしかかると、どこからか聞こえてくる「ドスン、ドスン」という太鼓の音、くいだおれ人形が叩く太鼓の音に、「道頓堀の音」として大阪人は郷愁を感じる。
だから、今日も店前には人が溢れ、写真を撮る風景が広がっていた。
くいだおれ人形だけが思い出に残り、くいだおれの店の味が忘れ去られていく、歴史的な一日の今日に、私も群衆にまみれて、なぜかくいだおれ太郎とくいだおれ次郎(=次郎が居た!今日が晴れのそして最後の晴れ舞台か!!)のツーショットを抑えてしまった。
群がる群衆や取材陣。
通行の整理をするおびただしい数の警備陣。
すべてが、2体の人形の哀愁に明け暮れる道頓堀であった。

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さて、喧噪を避けて、会社に戻る辻辻で、「いくたま夏祭」のポスターを見かけた。
昨年までの3年間使われていた黒と赤が基調の情熱的なポスターから、
(参照→http://hosibosi.at.webry.info/200707/article_4.html
青というよりも水色を基調にした、なんとも爽やかな清々しいポスターに変わってしまった。
イメージクールビスなのだろうか?
あと2年間はこのポスターが使われるのでしょう。
(ポスターのデザイン寿命は3年!)

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谷町9丁目(=上本町)に事務所を移転してより、この「いくたま夏祭」はもっとも人の活気を感じる二日間である。
さすがに大阪3大祭りの一つ。
日暮れから、もはや祭りモードで仕事が手につかない二日間を、まもなく迎えることになる。
祭り囃しに体が踊り、立ち並ぶ屋台に興じる。
そこに売られているのが「使い回しのサザエ(切り身の中身を差し替え貝殻を何度も使い回す)」「(偽物の)鮎の塩焼き」と知っていても、すべて群衆は了解して高いお金を夜店に払いながら祭りを楽しむ!
夏の世の楽しみ!
ただ、花火が上がらないのが、「いくたまさん」の唯一の物足りなさよ!!

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